森山 達哉

植物タンパク質のアレルゲン性と細胞機能性の解明

花粉症や農作物による食物アレルギーの増加や多様化が植物と動物(ヒト)との相互作用における 大きな問題の一つとなってきている。また一方で、これらのアレルゲンなどの植物中の特徴的な成 分は、動物やヒト細胞に対して有益な機能性を有することも多い。 そこで、本研究では、主要な農作物に含まれる植物タンパク質などの成分のうち、 アレルゲン物質のようにヒトなどの動物に対して不都合な反応を示す物質の探索・同定などを行い、 それらの分子のカタログ化・網羅的クローニング、発現、抗体作成、局在性解析などを行う。得ら れたツールを用いてアレルゲン性の評価方法を構築し、植物の栽培方法やストレス刺激、収穫後処理、 品種間差異、加工法などの違いによるリスク変動解析を行う。また、これらの分子の有する有益な細胞 機能性(健康機能性)についても解析し、リスクの低減化と有益な機能性の高度化を同時に目指し 、植物資源の高付加価値化及び有効利用に資する基盤情報の蓄積を行う。
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