アグリバイオシンポジウム2013の報告

画像 2012 年12 月8 日に近畿大学農学部において開催いたしました 「アグリバイオ・シンポジウム2012―未来を切り開くアグリバイオ技術:植物機能の基盤解明と人類へのアウトプット」におきまして、 植物に関連する研究で著名な先生方をシンポジストとしてお招きし、学術的に高いレベルの話題提供と実に意義深いディスカッションが行われました。
このようなシンポジウムを次年度へ引き継ごうと考え、このたび、2013年11月30日に「アグリバイオ・シンポジウム2013―構造生物学が推進するアグリバイオ技術革新」と 題するシンポジウムを近畿大学農学部にて開催いたしました。
このたびは構造生物学に焦点をあててシンポジウムを構成いたしました。

画像 まず、松村先生(阪大院工)からは植物の二酸化炭素固定に関わる酵素系について、児嶋先生(阪大蛋白研)からは花成ホルモンとその受容体および転写因子との複合体について、最先端の植物機能の分子基盤に関する話題提供がなされました。
城先生(理研播磨)からは微生物の脱窒過程に関する構造生物学的な研究成果について、また伊原先生(近大院農)からは真菌由来のイオンチャンネルの構造基盤に関して話題を提供いただき、微生物を中心とした環境保全という観点から重要な情報が与えられました。
画像 三上先生(京大院農)は大変工夫された結晶構造解析による食品関連酵素の反応機構について、また角田先生(九大院農)はグリコサミノグリカン糖鎖合成酵素のメカニズムについて、やはり最先端の話題が提供されました。 これらの講演内容の詳細は、こちらにアップしてあります。ご覧ください。
以上の話題提供を通じて、アグリバイオ技術に関わるタンパク質の果てしなく大きく広がる構造生物学の世界を垣間見ることができました。
さらに、我々がそのような世界から何を引き出せるのか、真剣に考え直すよい機会となりました。 我々アグリバイオ研究者にとって、そして大学院生たちにとっても大変刺激的で有意義な時間でした。
画像 シンポジウム終了後は、ログハウスにおいてビールと食事を囲んでなごやかな雰囲気でさらに情報交換を行うことができ、私大戦略的研究支援プロジェクト主催の第二回目のシンポジウムを成功裏のうちに終えることができました。 話題提供していただきました先生方、外部から参加していただいた皆さん、そして準備段階でご協力いただきました先生方、本当にありがとうございました。


プロジェクト代表
深溝 慶