これまでに発表したMSI関連論文の主な内容
●原著論文
原田ら Anal. Chem. (2008)
・・・瀬藤光利先生(浜松医科大学)代表のプロジェクトによって作成されたMSI装置の報告。現在、この装置はイメージング質量顕微鏡(iMScope)として島津製作所から販売されています。本論文の責任著者は瀬藤先生です。財満はプロジェクトに参画させていただきました。
財満ら J. Oleo Sci. (2009)
・・・メダカ切片中の代謝物分布を可視化。古い論文なので、この時点では多くの代謝物が同定できていませんでした。
井上ら Anal. Sci. (2010)
・・・ナス切片中の代謝物を可視化。
財満ら Rapid Commun. Mass Spectrom. (2010)
・・・コメ切片中の代謝物を可視化。
財満ら J. Oleo Sci. (2011)
・・・TLCで展開した脂質を可視化。TLCで展開した脂質のMSIによる分析法は井上菜穂子先生(現 日本大学)らが確立した方法を利用しています。
榎元ら Anal. Bioanal. Chem. (2011)
・・・マウスの舌の代謝物を可視化。
財満ら Atherosclerosis (2011)
・・・MSIを用いた新たな血管病理解析手法の提案と有効性の実証。粥状動脈硬化巣における代謝物分布の特徴的な分布を示す。
財満ら Anal. Bioanal. Chem. (2012)
・・・牛肉の脂質を可視化。得られたピークを多変量解析し、産地判別に利用できるかどうかを検討。
吉村ら Anal. Bioanal. Chem. (2012)
・・・アントシアニンの可視化法の検討。ビルベリー切片におけるアントシアニンの特徴的な分布を可視化。
吉村ら Plos One (2012)
・・・紫黒米中の特徴的なアントシアニン分布を可視化。
田中・財満ら Plos One (2013)
・・・ヒト腹部大動脈瘤壁で循環不全が生じていることを可視化。この発見が腹部大動脈瘤のモデル動物作出につながりました。
財満ら Rapid Commun. Mass Spectrom. (2014)
・・・PC検出時に特異性と感度を向上させる方法を報告。
財満ら Rapid Commun. Mass Spectrom. (2014)
・・・コメ胚乳中のリゾリン脂質の特徴的な分布を可視化。高品質な日本酒を醸造する際に、精米が必要な理由の一部を説明しうる結果なのではないかと考えています。
池田・財満ら Pathol. Int. (2014)
・・・MSIによってヒト粥状動脈硬化病巣の中性脂肪の分布を可視化。特発性TGCVという疾患概念の確立につながる。
田中、財満ら Plos One (2015)
・・・血管壁の循環不全は腹部大動脈瘤形成・破裂の原因となることの証明の一部にMSIデータを用いる。
田中、財満ら J. Vasc. Res. (2015)
・・・ヒト腹部大動脈瘤の外膜におけるTG分布異常を可視化。TG分布異常の原因は脂肪細胞の異常出現であることを証明。
田中、財満ら J. Athero. Thomb. (2016)
・・・静脈瘤におけるリン脂質の分布を解析。
財満ら Biochemistry and Biophysics Reports. (2016)
・・・EPAリッチな魚油を投与したマウス精巣におけるEPA含有リン脂質の分布を解析。
山田ら Rapid Commun. Mass Spectrom. (2018)
・・・アントシアニンを腹腔内投与したマウス眼球周辺組織の分布を解析
藤嶋ら Food & Funct. (2021)
・・・循環不全誘導のAAA血管壁において、EPAはM2マクロファージ(抗炎症作用を有する)と同様の局在を示しました。
久後ら J. Lipid Res.(2022)
・・・藤嶋さんらがモデル動物で発見したEPAとM2マクロファージの共局在がヒト腹部大動脈瘤患者でも起こりうることを報告。EPAの抗炎症機能に選択的な細胞取り込みが関与している可能性があるという仮説を報告しました。
久後ら Food & Funct. (2022)
・・・EPAが間葉系幹細胞に取り込まれやすい可能性をAAAモデル動物とヒト腹部大動脈瘤組織を用いた解析で。EPAの抗炎症機能に選択的な細胞取り込みが関与している可能性があるという仮説を指示する結果となりました。※Hot Article2022に選ばれました!
●総説など
財満ら Int. J. Mol. Sci. (2011)
・・・MSIの原理と応用
財満ら J. Vasc. Res. (2014)
・・・MSIを用いた血管の分析法と応用
久後ら 日本質量分析学会誌 (2016)
・・・食品科学分野におけるMSIの応用
久後ら オレオサイエンス (2016)
・・・MSIによる脂質の可視化研究
Kadam, S.Uら RSC advances. (2016)
・・・食品科学分野におけるMSIの応用
吉村ら Food Chem. (2016)
・・・食品科学分野におけるMSIの応用
山田ら 近畿大学農学部紀要 (2019)
・・・MSIの食品科学分野への応用
吉村ら Foods (2020)
・・・食品学分野での最近の研究解析