ハナショウガ研究会

Research Society for Wild Ginger

ゼルンボンは化学的な反応性が高く、全く異なった形に姿を変える手法が近畿大学農学部の北山らによって数多く開発され、骨格を変えた化合物は、香料や抗菌剤、あるいは抗がん剤などへの応用が期待されている。
また、京都大学農学部の大東肇博士・村上明博士らによるゼルンボンの生理機能の研究によって、がんに関係するEBウイルスの抑制作用、抗炎症作用、生体防御・解毒酵素の誘導作用が発見され、ゼルンボンは今後の展開が大いに期待される機能をもつことが分かってきた。また、大阪大学基礎工学部の高谷光博士(現京都大学化学研究所)はこれら反応を計算化学的に解明するアプローチを行っている。京都大学大学院薬学研究科の伊藤美千穂博士も生薬の専門家として、また長浜バイオ大学の河合靖博士は結晶学の専門家として参画し、現在はここでは紹介しきれないメンバーが集まって、ハナショウガの心を聞きだそうと向き合っている。
ところで、なぜハナショウガはゼルンボンを大量に産生する必要があったのだろうか?
このように多様性に富んだハナショウガおよびゼルンボンを、360度の角度から眺めようという発想で、2006年に「ハナショウガ研究会」が沢田誠二氏(京都教育大学名誉教授)を会長、宮脇英昭氏(大洋香料㈱社長)を副会長、北山を幹事として発足した。
この研究会では植物の機能と、大量含有成分ゼルンボンの反応多様性および生理活性について、多角的に研究する。また、地球上にある同様の性質をもった植物の発掘も視野に入れ、枯渇する化石資源を多数の植物成分で置き換えたいという夢をもった研究会である。
植物が作り出す物質と、その生理機能に重点がおかれている。植物は何らかの目的をもって様々な物質を産生するが、人類が上手にこれらを活用できれば、化石資源に頼らず、植物と共生する素晴らしい社会ができるのではないだろうか。
(バナーの作成は、原島広至氏によるものです。この場をお借りして感謝申し上げます。)
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Research Society for Wild Ginger