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VOICE

1年生から4年生まで。ここで過ごした4年間が、
一人ひとりをどう変えたのか。
先輩たちが、自分自身の成長を語ります。

失敗を引きずらなくなった。受け止めて次へ進む自分に。

農学科 4年生 花卉園芸学研究室 所属

細川 宗孝
主な指導教員 細川 宗孝

「生物」を軸に、広い視野で
進路を探したかった

高校時代、一番好きな科目は生物でした。毎日見ているはずの生き物にも知らないことだらけだという新鮮な驚きがあり、もっと深く学びたいと思ったのがきっかけです。数ある理系学部のなかで農学部を選んだのは、「生物」をベースにしながらも、食品・環境・農業ビジネスまで学べる分野が広いと感じたから。当時は明確な夢が決まっておらず、入学してから広い視野で自分のやりたいことを見つけられると思いました。

なかでも植物に惹かれたのは、「移動できない植物は、体内でさまざまな化学反応を起こして環境に適応している」と知ったこと。先生から「植物は研究が進んでおらず未解明な部分が多い」と聞き、未知の領域を追究してみたいと考えました。実験室にこもるだけでなく、フィールドワークが充実していたことも決め手でした。

4 YEARS

1

畑で野菜を育て、収穫し、
学内で販売。

強く印象に残っているのは「農学野外実習」。畑で野菜を育てて収穫し、学内販売も行いました。放課後にグループのメンバーと雑談しながら雑草を抜いたのはいい思い出で、最後はご褒美のかき氷を。収穫した野菜は持ち帰って自炊にも。農学部はのんびり穏やかな人が多く、周りの優しさに救われた1年でした。

2

植物のなかで起きる
「生命現象」に、夢中になった。

専門科目がぐっと増え、特に植物の生理に関する授業に夢中になりました。難しい内容も多くありましたが、植物の中で起きている生命現象を一つひとつ解き明かす過程に、大きな面白さを感じます。研究室見学も大きな転機になりました。先輩たちが自らの研究を主体的に語る姿に、強く刺激を受けたのを覚えています。

3

第一希望の研究室へ。
そして、挫折と再起。

第一希望だった研究室への配属が決まり、後期には研究もスタート。培養が楽しくて夢中になりました。一方で、特待生の選考に順位が足りず落ちてしまう経験も。とても悔しく落ち込みましたが、これをきっかけに成績向上を目指し、授業の復習や課題、ゼミ準備に丁寧に向き合うように。その努力は翌年、特待生採用という形で返ってきました。

4

受け身だった自分に気づき、
自立した研究者を目指す。

現在は卒業研究に取り組み、発表を重ねるごとにスライドづくりや質疑応答での成長を感じています。一方で、アイデアを実験として形にする難しさも痛感。受け身だった自分に気づき、今は論文を読み、自分にできることを考えて、自ら実験を仕掛けています。自立した研究者を目指して、ひとつひとつこなす日々です。

わたしの研究テーマ

セントポーリアのアルビノ化現象

なぜ、5℃の違いで芽が「白く」なるのか。

研究テーマは、組織培養の温度によって芽が白くなる「アルビノ化現象」の解明です。セントポーリアという植物は、25℃で培養すると通常の緑の芽ができるのに、わずか5℃低い20℃では白い芽が発生します。この違いは、緑色のもとになる葉緑体ができるかどうか。そのメカニズムを、細胞の構造と遺伝子の両面から探っています。面白いのは、現象が「色の変化」として目に見えること。明確なゴールのない基礎研究だからこそ、手探りで実験を組み立てる過程に醍醐味があります。一番夢中になるのは培養のとき。葉を1cm角に切り分ける作業が好きで、心の中では外科医の気分で(笑)ピンセットを握っています。

4年間でわたしが得たもの

農学の知識

畑の葉や苗を見て、どの野菜かわかるように。日常の植物や花への見方も変わりました。果物を実際に食べながら学ぶ授業など、農学科ならではの学びは、他学部の友人に話すと面白がってもらえます。

人との出会い

国際的に活躍する人、行動力のある人、魅力的な人柄の人——尊敬できる人に出会い、多くの刺激をもらいました。この縁を大切に、尊敬する人の背中から学び、自分も成長していきたいです。

一番変わったのは、失敗への向き合い方。入学を機に始めた日記で感情を客観視する習慣がつき、悔しさは受け止めつつ、事実ベースで「次にどう動くか」を考えるようになりました。

時間をかけて技術を磨くことに、
やりがいを感じる

今後は大学院に進学し、今の研究をさらに深く追究していく予定です。その先のキャリアはまだ模索中ですが、4年間を通して、自分は一つひとつの物事に時間をかけて技術を身につけることにやりがいを感じるタイプだと気づきました。どんな道に進んでも、目の前のことに真摯に取り組み、自分の選択に自信を持てる自分でありたいです。

完璧でなくても、一歩一歩進んでいくこと自体に価値がある。どんな知識も、どこかで必ず繋がっています。「自分には関係ない」と壁を作らず広い知識を身につけておくと、好きな専門分野に進んだとき、それが必ず大きな強みになります。