近畿大学農学部応用生命化学科
現在、地球温暖化や資源の枯渇の問題を背景として、化石資源依存からの脱却とバイオマス利用の拡大が求められています。森林資源はその膨大な賦存量から、最も利用の拡大が期待されているバイオマスのひとつです。しかし、森林資源の利用拡大に向けて問題となるのが、木材分解生物であるきのこやシロアリによる腐朽被害や食害です。これらの生物は自然界においては樹木の主要な分解者として、森林生態系における重要な役割を果たしていますが、木造構造物においては深刻な被害をもたらす有害生物となります。このため、これらの生物による被害を防ぐことが木造構造物の利用拡大に向けて重要となっています。その一方で、木材は分解することでバイオ燃料や機能性糖質などに変換できることから、高効率な分解法の開発が求められています。きのこやシロアリは難分解な木材細胞壁を分解することができるスペシャリストであることから、その木材分解能力を応用することで高効率な木質バイオマス変換が実現することが期待されています。このように、きのこやシロアリは木質バイオマスの利用拡大に向けて、木材の保護と有用物質への変換という両面において重要な生物です。そのため、これらの生物の木材分解に関わる生理・生態を明らかにし、その仕組みを解明することは極めて重要な意味を持ちます。当研究室ではきのこの木材分解機構に関わる酵素、遺伝子の研究や、シロアリの階級分化に関わる遺伝子の研究等を通じて、木質バイオマスの利用拡大につながる知見を得ることを目標として、研究を進めています。
森林生物化学研究室 | |
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教員 | 板倉修司 (教授) |
梅澤 究 (助教) | |
居室 | 農学部研究棟5F 3505 (板倉) |
3518 (梅澤) | |
メール | 板倉: itakura(at)nara.kindai.ac.jp |
梅澤: umezawa(at)nara.kindai.ac.jp | |
(at)を@に変換してください | |
keywords | 木材腐朽菌、シロアリ、 木材保存、バイオマス変換 |