不耕起栽培による持続的作物生産体系の評価

No Tillage Cultivation of Sustainable Crop Production System

 

農耕地の持続的利用を阻害する主要因の一つとして土壌浸食が挙げられる。諸外国では、土壌侵食を防止する栽培技術として不耕起栽培が取り上げられ、これまでに様々な試験研究が行われてきた。アメリカ合衆国やパラグアイ、ブラジルなどの国々では、不耕起栽培は一般的な栽培技術として広く認知されているが、我が国ではわずかな耕地で実践されているに過ぎない。播種期の作業競合の軽減や、機械化作物栽培体系への組み込み、耕起作業コスト軽減などのため不耕起が試みられているのが実情である。不耕起栽培では、耕起の省略により除草作業を増やす必要があるだけでなく、作物収量が降雨環境によって不安定化し易く、必ずしも容易な栽培技術とはいえない。我々は、19951999までインドネシア国スマトラ島の酸性土壌地帯、20022004までナミビア国半乾燥地帯、さらに1999年より滋賀県立大学農場、2001年より名古屋大学実験圃場において、各地の研究者と共同で不耕起栽培試験を実施することにより、この農法の可能性を様々な角度から検討している。

 

研究1 不耕起条件下における作物の水吸収評価

キ−ワ−ド:作物の深根性、安定同位体法でラベルした重水の吸収、個葉の光合成蒸散速度、葉の水ポテンシャル、間作作物間の水競合と補完関係

 

研究2 不耕起条件下での心土破砕による深層土壌構造の改良

 

研究3 水稲麦間間作栽培体系ならびに成育期心土破砕条件下での作物の水吸収(愛知県農業総合試験場の研究者との共同研究)

 

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